ピルの安全性と副効用について
- HOME
- ピルの安全性と副効用について
ピルって何?
ピルとはいったいどんなものでしょう?
ここでは、あなたの月経に関する悩みを解消してくれる薬、「ピル」についてご紹介しています。
ピルは避妊のためだけのものと思われがちですが、服用中は排卵が止まり、卵巣と子宮を休ませられるうれしい副効用もあります。
これは卵巣がんの予防にも効果的です。
それ以外の副作用についても、ここでしっかりとチェックしておきましょう。
ピルの概要
ピルとは、卵胞ホルモンと黄体ホルモンの両者が含まれた錠剤タイプの「経口避妊薬」です。避妊目的と副効用(避妊以外の効果)を目的に服用されています。ホルモン量の多い順に高用量、中用量、低用量があり、低容量ほど副作用が少なくなります。全世界では1億人以上が服用し、日本では1999年の低用量ピル認可をきっかけに普及が始まりました。ピルを手に入れるためには医師の診察を受けて処方箋を出してもらう必要があります。
ピルの働き
ピルを服用すると、体内のホルモンバランスが「妊娠している状態」に近づき、排卵がストップします。妊娠には排卵が必要になるため、必然的に避妊の効果を得られるのです。ただし、ピルを服用したからといって「妊娠できなくなる」というわけではありません。ピルによる避妊効果は「卵巣と子宮がお休みする」状態であるため、服用を止めれば再び妊娠できる身体に戻ります。
ピルの安全性
ピルってこわいもの?
徐々に広がりを見せているピルですが、中には「ピルって副作用があるからこわい」と考えている人もいるようです。でもそれは40年以上前、まだ日本で高用量・中用量のピルしか扱われていなかった時代の話です。その頃は確かに血栓症や重い頭痛、吐き気などの副作用が問題になっていましたが、現代のピルは低用量がメイン。ホルモンの量は1/10に抑えられ、きちんと服用すれば副作用もほとんどありません。
日本での普及が遅れた理由
日本で低用量のピルが認可されたのは1999年のこと。1970年代にアメリカで発売されてから、30年近く遅れての承認でした。遅れてしまった理由は「副作用の危険性」などではなく、ピルの普及による「出産率の低下」、そしてコンドームを使用しないことによる「HIV感染者の増加」が懸念されていたからです。国は、出産したがらない女性が増えて少子化に拍車がかかることをおそれていたのです。
ピルのすごいところ
ピルの避妊率はコンドームよりも遙かに高いことが立証されています。そして避妊率が高いだけでなく、排卵をストップさせることで卵巣、子宮を休ませられるのです。卵巣は毎月の月経にともない、排卵を繰り返しています。でも実は、排卵のたびに卵巣は傷ついているのです。このダメージが排卵痛を引き起こし卵巣がんの原因にもなるといわれています。ピルを服用すれば排卵は止まり、卵巣は休息できるのです。実際にピルを服用していると卵巣がんになりにくいというデータも出ています。
ピルの副効用と副作用
上記の「排卵の休息」だけでなく、ピルにはさまざまな副効用(避妊以外の効果)があるのです。
ピルによってホルモンバランスが整えられると、多くのうれしいことが!
月経関連
- 月経痛の軽減
- 月経血量の減少と、それによる貧血の改善
- 月経不順の改善
- PMS(月経前緊張症/月経前症候群)の改善
- 生理変更(月経の開始日を自由に変更)
月経関連
- 卵巣嚢腫(らんそうのうしゅ)の予防
- 子宮外妊娠の予防
- 子宮内膜症の予防
- 骨盤内感染症の予防
- 子宮体がんの予防
- 乳房良性疾患の予防
美容や健康
- 美容や健康
- 更年期障害、骨粗鬆症の予防
気になるピルの副作用には、吐き気や頭痛、むくみなどの症状が挙げられます。どれも最初の2~3日で治まる一時的なものです。人によっては1ヶ月程度続くこともあるようですがどれも軽度のものなので心配ありません。もし副作用がきついと感じたら、医師に相談してピルのタイプを変えてもらいましょう。
※年齢や生活習慣、既往症、喫煙習慣などによって制限があります。